留学中の前原さんが避難場所で撮影し、SNSに投稿した写真=25日、ウクライナ・キエフ(本人提供)

 「もしものために文章を残します」。緊迫した状況が続くウクライナの首都キエフで「シェルター」に避難した栃木県足利市出身、慶応義塾大2年前原剛(まえはらつよし)さん(20)が現地時間25日、悲痛な叫びを会員制交流サイト(SNS)で発信した。県内の関係者らからは、前原さんの身を案じる声が上がっている。

 「どうか現地に残ってる日本人、並びにウクライナ人の多くの友人たちが命を落としませんように」。25日昼、前原さんは「寒さと恐怖」の中で短文投稿サイト「ツイッター」に文章を投稿した。

 前原さんは国学院栃木高を卒業後、同大に進学。ITを学ぼうと今年1月、キエフに留学したばかりだったという。

 24日朝、在日ウクライナ大使館の投稿でロシア軍のウクライナ侵攻を知った。「ガソリンスタンド付近は渋滞、配車アプリは全滅」で空港や駅へのアクセスはすでに難しくなっていた。「20年の人生でまさか戦争の現場に居合わせてしまい…」。その言葉からは動揺と困惑がにじむ。「シェルター」に避難し、ウクライナの支援を願って現地から発信を続けているという。

 「ロシアのミサイル、工作員のテロ、外気のいてつく寒さ。内心、もう何が何だか分からず、辛いです。こんなに枯れた涙が流れたことはありません」

 投稿は日本時間25日午後9時半現在、6万件近くリツイートされている。「社会と人々の心と、幸せを感じられる世界になってほしいなと思います。どうかウクライナのサポートをよろしくお願いします」と締めくくった。

 前原さんは同日、下野新聞社の取材にツイッターを通じて応じ「私は生き残るために最善を尽くします。どうか、日本の皆さんに私の思いを伝えてください」と訴えた。

 国学院栃木高で柔道部だった前原さんを指導した葭葉国士(よしばくにお)さん(46)は25日午後、知り合いを通じて事態を知った。「テレビの映像で伝わってくるだけの想像もできないような世界の話と思っていたので非常に驚いている。本人の詳しい状況などが分からず、心配だ」と憂慮した。