平昌五輪からの4年間を走り続けるための糧がクワッドアクセル(4回転半ジャンプ)だったのだろう。20日に閉幕した北京大会で、フィギュアスケートの羽生結弦(はにゅうゆづる)選手は五輪3連覇に向かって果敢に跳んだ。結果はご存じの通りだったが、執念とプライドは氷上に表現されていた。

 雪と氷のスポーツの祭典の期間は、紙面に掲載する記事や写真をチョイスする私たちにとって頭を悩ませる日々だった。そんな中、ファンというわけではないが羽生選手に関する記事は何となく目に留まった。誰も成し遂げていないクワッドアクセルを跳ぶのか、跳べるのか。そんな思いからだった。

 「守ることだって挑戦なんだと思うんですよね。だって守ることって難しいなと思いますし、大変なんですよ。守るって」。競技後の記者会見で語った言葉に“守りながら攻めた”日々を垣間見た。羽生選手は会見で引退には言及しなかった。今大会は世代交代の序章なのか。追いすがる後輩たちとの勝負の行方を見届けたい。