3月13日の告示まで3週間を切った大田原市長選。4選を目指す現職津久井富雄(つくいとみお)氏(71)のほか、前県議相馬憲一(そうまけんいち)氏(64)、市議の星雅人(ほしまさと)氏(37)と鈴木隆(すずきたかし)氏(63)の新人3人が、無所属での立候補を予定する。津久井氏は自民、公明両党の推薦を受け、市議21人中17人が支持。新人陣営は自民県議だった相馬氏が党推薦を得られず、市議選で支援した星、鈴木両氏とも戦うことになる。候補者一本化の動きはなく、批判票が割れて現職に有利な情勢になるとの見方も出ている。

 12日に開かれた津久井氏の後援会役員会。市議や役員約30人を前に津久井氏は「私に次いで相馬県議が有力、その次は若さの星君。手綱を緩めると、勝てるはずの戦いが勝てなくなる」と、その場を引き締めた。

 8割の市議の支持を取り付け、義弟で同市選挙区選出の池田忠(いけだただし)県議、自身が後援会総連合会長を務める簗和生(やなかずお)衆院議員らの支援も受けていると強調。農協や土地改良区、自治会など多数の団体推薦も受けており、同氏は「これ以上の体制を築ける候補者はいない」と支援者へ組織力発揮を期待した。

 一方、相馬氏は5期目途中で県議を辞職した翌日の18日、政策発表記者会見で「市議からの応援は1人もいないし、自公の推薦も得られなかった。大変不利な状況だ」と明かした。支持者にくすぶる星、鈴木両氏との一本化の声に、相馬氏は「現職の批判票を3分するより、一本化が有利なのは理解しているが、2人が決断したことなので仕方ない」と具体的な動きはない。

 陣営には政党推薦はないが、後援会の副会長には造林業の植竹雅弘(うえたけまさひろ)自民党黒羽支部長、顧問には建設業の玉木茂(たまきしげる)大田原商工会議所会頭が就き支援。市街地の商店会からも推薦を受け、支持拡大を進める。

 両陣営では、政党や団体の推薦を巡ってつばぜり合いも起きている。

 推薦がない中で事務所に自民党の旗を掲げている相馬氏に対し、津久井氏側の同党大田原支部が除名を突き付けたり、両陣営を推薦する建設、商工団体などの組織を挙げた相馬氏支援を危惧し、関係者に津久井氏が会い、現職の強みを訴え支持を求めたりしている。

 星、鈴木両陣営は各種団体からの推薦は受けていない。2人とも同じ市議会会派からの挑戦となる。

 市議3期目の星氏は郡司彰(ぐんじあきら)元県議を選対本部長に同級生や若い世代の協力を受け、会員制交流サイト(SNS)も駆使し支持拡大を図る。12年前の市長選で津久井氏に敗れた千保一夫(せんぼかずお)前市長が「世代交代が必要」と、星氏を勝手連的に応援する動きもある。

 市議1期目の鈴木氏は、中高の同級生や後援会役員とともに支持を訴えている。