ファミリーシップ宣誓制度で想定されるメリット

 栃木県鹿沼市は16日、LGBTQなど性的少数者のカップルとその子どもの家族関係を公的に認める「市パートナー&ファミリーシップ宣誓制度」を4月に導入することを市議会全員協議会で明らかにした。県内初の取り組みで、カップルを対象にした現行の「市パートナーシップ宣誓制度」を拡充。母子健康手帳交付などの行政サービスのほか、医療機関で子どもの病状説明を受けられるといったメリットが想定される。市は「多様な家族の在り方を支援したい」としている。

 鹿沼市は2019年6月、パートナーとして宣誓をした同性カップルなどに証明書を発行し、婚姻と同等の行政サービスを提供する「パートナーシップ宣誓制度」を県内で初めて導入した。今年1月時点で4組が宣誓を済ませている。

 新たに導入する「ファミリーシップ制度」は、カップルと同居する子どもも家族として公認する。過去に異性との間に子どもをもうけたり、養子縁組や里親として子育てをしたりするカップルに配慮した形。15歳以上の場合、子どもの意思を尊重し、宣誓には本人の署名を必要とする。市人権推進課によると、把握している範囲で、全国で10自治体程度が導入している。

 行政サービス以外のメリットとしては、保育施設に通う子どもが帰宅する際の引き取りや、医療機関で子どもが入院や手術を受ける際の同意書提出が可能になることなどが想定される。

 こうした運用を可能にするには民間の協力が必要で、市は事業者や各種団体などに制度への理解を呼び掛け、提供可能なサービスの拡大を図りたい考え。市は新制度の詳細を定めた要綱を3月中に策定する。

 取材に対し、佐藤信(さとうしん)市長は「多くの市民に趣旨を理解していただき、学校教育現場などでの差別排除にも力を入れたい」と話した。