自治医大付属病院の救命救急センターで業務に当たる職員=1月下旬、下野市薬師寺(画像は一部加工しています)

 新型コロナウイルスのオミクロン株の感染者急増が、県内の救急医療に影響を及ぼしている。搬送先がすぐに決まらない「救急搬送困難事案」は、昨年12月27日~今年1月23日で計388件。救急要請自体が多いことに加え、コロナへの対応で救急医療全般の受け入れ態勢が逼迫(ひっぱく)している。関係者は「命に関わる重症患者の受け入れに影響が出かねない」と危惧している。

 1月下旬、自治医大付属病院救命救急センターが呼吸困難を訴える高齢男性を受け入れた。到着まで1時間ほどかかる遠方からの要請で、すでに9件の医療機関に断られていた。

 総務省消防庁は「医療機関への受け入れ照会数4回以上かつ現場滞在時間30分以上」を困難事案とする。

 県は昨年12月27日から県内の困難事案を調査。第5波では昨年8月2~29日に239件を確認した。宇都宮市消防局によると、今年1月3~30日の市内の困難事案は124件と前年同期比約1・5倍増で、照会数20回、搬送開始に約1時間45分を要した例もあった。