昨夏の東京パラリンピック車いすバスケットボール男子で、銀メダルを獲得した高松義伸(たかまつよしのぶ)さん(22)。希少がんの骨肉腫で左脚を切断した義伸さんを支えた父邦孔(くによし)さん(47)と母かおりさん(48)に子育てを振り返ってもらった。
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かおりさん 義伸(よしのぶ)ががんになったのは中学3年の時。6月に野球部の試合の応援に行き、義伸は盗塁をしました。でもいつもの走り方じゃなかった。帰りに整形外科へ連れて行き、私たちだけ医師に呼ばれました。「ここでは診られないので県がんセンターへ」と言われ、血の気が引きました。
次の日、がんセンターは遠いので自治医大病院に行き、白血病の可能性があると言われました。翌日の入院が決まり、しばらく友達に会えなくなると思い、携帯電話を買ってあげ、学校で友達に会わせました。
精密検査で骨肉腫だと分かり、がんセンターに入院。抗がん剤治療で痩せ、髪や眉毛が抜け落ちました。