無料検査を受ける女性=26日午後、宇都宮市

 新型コロナウイルスの感染が急拡大する中、県が今月から始めた無症状者を対象にした無料検査の実施件数が27日までに、7千件を超えた。希望者は急増しており、検査を行う薬局などでは「検査キット」が不足し、一時的に在庫切れとなるケースも出ている。発熱などの症状がある人を検査する医療機関への影響も懸念されている。

 宇都宮市ゆいの杜6丁目の「ピノキオ薬局ゆいの杜店」では26日、開店の午前9時前から検査を希望する人の車で駐車場が埋まった。幼い子ども2人と検査を受けた同市の女性(36)は「県外へ出掛けたので検査を受けたかったが、他の薬局ではキットがないと言われてしまった」と話した。

 県では感染力が強い「オミクロン株」への対策として、無料検査を140カ所で行っている。感染拡大とともに希望者は増え、4~16日までの13日間で約3500件を実施。17日からは7日間で同程度の実施件数に達しており、およそ2倍のペースで増加している。

 PCR検査と抗原検査を行っているが、感染を素早く調べられる抗原検査の需要が高く、検査キットの不足が出始めている。

 ピノキオ薬局では県内4カ所で検査を実施し、メーカーに検査キットの追加注文をしたが、2月上旬に底を突く可能性があるという。担当者は「次の入荷は2月末まで見通せない」と困惑する。

 県内53カ所で検査を行うウエルシアホールディングスの広報担当者によると、1日に約70件の検査を行う店舗もある。宇都宮市内などの複数の店舗では在庫がなくなり、一時的に受け付けを中止した。

 検査キットの確保や体制整備は事業者に任されているが、メーカー側の生産が追い付いていない。県には薬局のほか、有症状者の検査を行う医療機関からも「検査キットの確保が難しい」との声が寄せられており、治療の遅れにもつながりかねない。

 県は今後、無料検査の対象を絞ることも検討する方針としている。