スピードスケート成人男子500メートル 力強い滑りで優勝を飾った阿部(県スポーツ協会)=日光霧降スケートセンター

 第77回国民体育大会「いちご一会とちぎ国体」冬季大会スケート・アイスホッケー競技会第3日は26日、日光霧降スケートセンターほかでスケートのスピード、フィギュアとアイスホッケーを行い、スピード成年男子500メートルで阿部啓吾(あべけいご)(県スポーツ協会)が36秒44で初優勝を飾り、川目拓磨(かわめたくま)(同)が3位に入った。

 成年女子500メートルは宇佐見鈴音(うさみすずね)(同)が4位、上鹿渡双葉(かみかどふたば)(同)が6位。宇佐見は1000メートルで、北原(きたはら)もえ(同)は3000メートルで決勝進出を決めた。少年男子500メートルは萩原由侑(はぎわらゆう)(宇都宮工高)が7位入賞。同1000メートルは湯澤大翔(ゆざわやまと)(日光明峰高)、少年女子3000メートルは平岡由圭(ひらおかゆうか)(同)がそれぞれ決勝へ駒を進めた。

 フィギュアは成年女子ショートプログラムで小室笑凜(こむろえみり)(早大)が42.09点の18位で27日のフリーに進出。成年男子のフリーに出場した鈴木雄大(すずきゆうだい)(尚美学園大)は24位で大会を終えた。フィギュアは2014年の「ひかりの郷(さと) 日光国体」以来8年ぶりに、エントリーした複数種別全てで選手がフリーに進む好成績を収めた。

 アイスホッケー成年男子は1回戦を行い、本県は広島に12-0で完勝。2回戦は27日午後2時半から、今市青少年スポーツセンターで岡山と対戦する。

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 スピードスケート成年男子500メートル決勝の最終コーナー中盤。阿部啓吾(あべけいご)(県スポーツ協会)は、前を行く川目拓磨(かわめたくま)(同)が外にふくらんだことを見逃さなかった。

 当初の外側勝負のプランを瞬時に捨て「イン(コース)で抜く」と心を決めた。今大会を現役ラストレースに定める25歳が、競技人生の全てを懸けた勝負に出た。

 スタート位置は4人の中で最速の飛び出しを誇る川目の隣。「付いて行けば2番手で進められる」と序盤から背後にぴたり。スプリントにたける後続2人が仕掛ける気配を見せれば、巧みな位置取りで抜かせない。「理想の展開」を氷上に描き出していた。

 残り約100メートルのホームストレート。川目の空けた内側のスペースに飛び込み加速した。「終盤に絶対の自信を持っているわけではない」。だが「足がちぎれるくらい」の気迫で攻めた。僅差でゴールへ飛び込んだ瞬間、突き上げた右拳。それが本県チームに所属した3年間の「答え」だった。

 19年の国体後に茨城県から所属を変えた。規則上、20~21年は出場できなかった。その間も献身的にサポートした本県関係者らへ募ったのは思いは「感謝」。左足の負傷が影響し「初めて500メートルの自己ベストが出なかった」今季途中に引退を決めた。だが、この国体だけは譲れなかった。

 「気持ち良かった」と晴れやかな表情で場内の喝采に応えた。集大成のレース。国体舞台の500メートルでは、自身初となる栄冠だった。