フィギュアスケート成年女子ショートプログラムで演技する田所五十鈴(東女体大)=26日午後、日光霧降アイスアリーナ

フィギュアスケート成年女子ショートプログラムで演技する田所五十鈴(東女体大)=26日午後、日光霧降アイスアリーナ

フィギュアスケート成年女子ショートプログラムで演技する田所選手(東京女子体育大)=26日午後、日光霧降アイスアリーナ

フィギュアスケート成年女子ショートプログラムで演技する田所五十鈴(東女体大)=26日午後、日光霧降アイスアリーナ フィギュアスケート成年女子ショートプログラムで演技する田所五十鈴(東女体大)=26日午後、日光霧降アイスアリーナ フィギュアスケート成年女子ショートプログラムで演技する田所選手(東京女子体育大)=26日午後、日光霧降アイスアリーナ

 成年女子ショートプログラム(SP)に初出場した田所五十鈴(たどころいすず)選手(19)=宇都宮市出身、東京女子体育大=は、姉二千羽(にちは)さん(21)が高校時代に使っていた衣装で本番へ。国体出場の夢を果たせないまま競技を引退した二千羽さんの思いを背負い、「姉の分まで」と氷上を鮮やかに舞った。

 2歳上の二千羽さんの影響で小学1年の頃に競技を始めた五十鈴選手。宇都宮南高時代は「お互い負けたくないとどこかで思っていた」と、姉妹として良きライバルとして切磋琢磨(せっさたくま)を重ねた。

 衣装は二千羽さんが2017年に本県で開催された冬季全国高校総体に初出場した際に作ったものだ。高校で競技を引退した姉から受け継ぎ、スカートにフリルを付けアレンジ。使用する楽曲の雰囲気に合わせて配色も変え“勝負服”に仕立てた。

 昨年10月の国体県予選終了後、二千羽さんに代表内定を伝えた。その時返ってきた言葉は「私の分まで頑張って」。姉から受け継いだものは、衣装だけではなく競技への思いであることも身に染みて感じた。

 人に優しく努力家で誰にとっても見本のような姉は、「コツコツ頑張ることが苦手な自分にとっては真逆の存在だった」と言う。「自分より上手だった」姉でさえ出られなかった国体に、地元で立てるチャンスがあるならと「心を入れ替えて頑張って練習してきた」。

 迎えたSP。結果は満足できるものではなかったが「頑張ってきて良かった」と心から感じた。会場には来られなかった姉に、中継の画面越しでも伝わるようにと「見ている人が笑顔になれる演技」を貫いた。演技終盤、ステップを踏みながらふと思った。「姉も喜んでくれているかな」。普段は言えない感謝の気持ちを詰め込んだ2分40秒だった。