芥川賞、直木賞の受賞作のコーナーが設置された書店=19日夜、宇都宮市馬場通り2丁目

 栃木市皆川地区を舞台にした乗代雄介(のりしろゆうすけ)さん(35)の小説「皆(みな)のあらばしり」。芥川賞は逃したが、地元では地域活性化につながるとして前向きに捉えている。

 同書は歴史的書籍を巡る男子高校生と大阪弁で話す謎の男とのやりとりを描いた作品。学悠館高歴史研究部による地域研究がモデルになった。

 舞台となった皆川城址(じょうし)の整備や案内を行う同地区街づくり協議会歴史文化部会長の麦倉信二(むぎくらしんじ)さん(77)は「結果は残念だが、地元に興味を持ってくれたことがうれしかった」と受け止める。本を手に訪れる人も増えたといい、「会員も作品を読んで案内の準備をした。多くの人に来てほしい」と呼び掛けた。

 宇都宮市馬場通り2丁目の喜久屋書店宇都宮店では、芥川賞・直木賞候補作を集めた特設コーナーで「栃木が舞台」と記したポップを掲げ紹介した。報道を受け品薄となったという。文芸書担当の大牧千佳子(おおまきちかこ)さんは「地元で注目されていると実感した。今は在庫がなく入荷時期も未定だが、話題作で栃木が舞台になることは少ないのでぜひ手に取ってほしい」と話した。