契約について生徒に教える國嶋教諭=2021年12月中旬、烏山高

 成人年齢が4月から18歳に引き下げられるのを前に、消費者教育を扱う高校の家庭科教諭らが危機感を強めている。高校生でもさまざまな契約が法的に可能となり、知識不足などから消費者トラブルに巻き込まれる危険が高まるためだ。「時間は限られているが、伝えなくては」と教諭らは教えるべき内容や指導法を模索している。

 「大人になるまで、あと2年しかない」

 昨年12月、烏山高家庭科棟の教室。1年生を前に國嶋昭子(くにしまあきこ)教諭(50)は声に力を込めた。授業は「契約」について。売買が成立するための条件やクーリングオフ制度など、お笑い芸人が出演する映像教材を見せて説明した。

 成人年齢を18歳に引き下げる改正民法は2018年6月に成立した。物件の賃貸契約などが可能になるが、親の同意がない契約を取り消す「未成年者取消権」は行使できなくなる。知識や経験の不足で悪徳商法などに巻き込まれやすいとの懸念から、文部科学省は19年3月、消費者教育を一層充実させるよう通知した。

 授業後、レイアキさん(16)は「よく使うネット通販で他人の評価や価格しか見ていなかったが、情報を見極めないと」と改まったが「大人になる実感はまだ全然湧かない」。大輪祐聖(おおわゆうせい)さん(15)も「『責任を持たないと』とは思うけど、イメージを持ちにくい」と悩ましげだった。