「ださカットで…」

 美容室で居合わせた男子中学生のオーダーが耳に入ってきた。どうやら校則で前髪の長さなどが細かく決められていて、「かっこいい」髪形はNGらしい。

 生徒にとって「絶対」とも思える学校の決まり。そんな固定観念を変えるチャレンジが、佐野高・同付属中の「第3の制服」づくりの取り組みだった。

 「選択肢を増やしたい」。生徒の思いを契機に、男女のデザインに差がない新制服を完成させた。舞台裏には同窓会や保護者への根回しなど全面的に支援した校長や教職員の存在がある。

 取り組みを紹介した記事はネットでも反響を呼んだ。生徒の行動力をたたえる声がある一方、記事中の「多様性」や「ジェンダー」という言葉に拒否感を示すコメントも。「多様性」について伝える難しさを改めて実感した。

 生徒会長は「少しでも社会を変えるきっかけになれば」と前を向く。頼もしい若者たちを伸ばす環境が、これからも近くにあり続けることを願いたい。