「年末年始は特に気掛かりだった」。小山市内で子どもの居場所を運営する、NPO法人さくらネット小山の高橋弘美(たかはしひろみ)理事長(61)は、こう明かした。学校も居場所も休みとなり、どうしても目が届きにくくなる▼今年で活動7年目、同市から委託され、主に小学生と、その保護者を支援している。高橋理事長らスタッフ7人が「2番目のお家に」と気を配る▼十数人に対し食事や入浴の世話から洗濯、宿題も手伝う。時にはあいさつや言葉遣いなど、しつけにも及ぶため、心を傷付けられる言葉を返されることもあるという▼高橋理事長は以前、児童相談所の職員、スクールソーシャルワーカーとして勤務してきた。だが「何か問題があり一時保護しても預かるのは短期間で、その後もかなりの子どもたちは、地域で生活することになる」。もどかしさが募った▼かつて地域には、さまざまな困難を抱えた親子を支える仕組みがほとんどなく、環境が悪化していく子どもたちを何人も見てきたという。「子育てがうまくできず、もがいているケースも少なくない。保護者を指導するだけでは解決しない」▼昨年度、児相が虐待として対応した相談件数は初めて20万件を超えた一方、専門家の多くが潜在化の懸念も指摘する。地域で気付き支える「2番目のお家」の拡充が求められている。