「大阪で年を越したいですね」が、お決まりの会話だった。だが実現はせず、帰りの切符を買うため、混雑する新大阪の駅で長い行列に並んだことを思い出す▼全国高校ラグビーで、本県代表の国学院栃木が、ついに県勢として初めて決勝の舞台に駒を進めた。あす8日、高校日本一を懸けた大一番に臨む▼冒頭は15年以上前、何度か全国大会を現地で取材した際のチーム関係者とのやりとりである。当時は高校日本代表候補や後に日本代表になる逸材をそろえ、歴代最強とも言われた。でも勝てなかった▼その後に年越しは何度かあったものの、最高は8強が一度あっただけ。そこへ今回の快進撃である。画面越しにも攻守にわたる集散の素早さが伝わる。長年積み上げた「国栃らしさ」が一気に花開いた印象だ。番狂わせが少ないとされる競技だが、3連覇を狙うAシード撃破は決してフロックではない▼今回のチームには、高校日本代表候補が一人もいない。4強では唯一であり、準決勝の相手には8人もいた。なのに快勝に次ぐ快勝である。チームが一丸になれば力が何倍にもなる団体競技の魅力を感じさせてくれる▼決勝の相手は10年前に4強入りを阻まれた難敵で、吉岡肇(よしおかはじめ)監督も「チャレンジャー」を強調した。だが、ぜひとも勝って、年の初めに県民を元気づけてほしい。