飼育員を襲ったベンガルトラの「ボルタ」(那須サファリパーク提供)

ベンガルトラ舎 平面図

飼育員を襲ったベンガルトラの「ボルタ」(那須サファリパーク提供) ベンガルトラ舎 平面図

 20代の飼育員3人がトラに襲われて負傷した「那須サファリパーク」(那須町高久乙)は5日、事故の原因について、前日にトラを獣舎へ入れず、移動用の通路に残したままだった可能性があると明らかにした。安全確保に関わるマニュアルも不徹底だったとみられ、県警は関係者から事情を聴くなどして安全管理に問題がなかったか調べる方針だ。

 サファリパークによると、事故現場のベンガルトラ舎は平屋で、中には獣舎が五つ並んでおり、トラ2頭が使っていた。トラは展示終了後、移動用の「アニマル通路」を通って獣舎に戻り、夜を過ごす。マニュアルでは、トラを獣舎に戻した時間を記録することになっているが、前日の4日の担当者は「通路に入れたが、獣舎に入れたかは記憶にない」と話しているという。

 獣舎内には4日夕方に与えた餌が残っており、トラは獣舎に入らないまま5日を迎えた可能性が高いという。それを知らずに開園準備のためアニマル通路に入ったトラ担当の女性飼育員(26)が鉢合わせになって、襲われたとみられる。

 また、マニュアルでは展示場の点検を行う際、安全確保のため、屋外の通路を通ることになっているが、飼育員は屋外が凍結していたため、アニマル通路に入ってしまったという。葛原直人(くずはらなおと)支配人(46)は「本来ならばトラと人が同じ空間にいることはないが…」と説明した。

 サファリパークでは1997年に19歳と23歳の飼育員、2000年にも21歳の飼育員がライオンに襲われる事故が起きており、従業員に安全対策を徹底するよう指導していた。葛原支配人は「大事な3人の回復を願うとともに、二度とこのような事故が起きないよう徹底して原因を追究し、万全な対策を講じたい」と沈痛な表情で話した。

 飼育員を襲ったトラの展示については、今後の状態を見ながら検討するという。