仕事始めの4日、県内経済界でも多くの業界団体や企業が始動した。新型コロナウイルス禍に伴い、今年も賀詞交歓会が見送られた一方、小規模な行事やリモート技術を活用した始動が主流となった。それぞれのトップは、コロナ禍や加速するデジタル化への対応などをキーワードに挙げ、新年の飛躍を誓った。
情報サービスのTKC(宇都宮市)は、昨年に続きオンラインで飯塚真規(いいづかまさのり)社長のあいさつを配信した。各拠点で約900人が視聴した。飯塚社長は、企業会計関連の法改正や、自治体によるクラウド技術を活用するシステム移行の流れを課題に挙げ「会計事務所と関与先企業、地方公共団体のデジタルトランスフォーメーション(DX)を支援し、顧客への貢献に努めていこう」と力を込めた。
足利銀行はコロナ禍前から例年、各営業店などに頭取のビデオメッセージを配信している。宇都宮市の足銀本店では、本店営業部の行員ら約80人がロビーに集まり、二つのモニターに映し出された清水和幸(しみずかずゆき)頭取の年頭所感に聞き入った。
清水頭取は、世界的なテーマとなっている国連の持続可能な開発目標(SDGs)や脱炭素に触れつつ「コロナ禍が収まらず思うような動きができないが、お客さま中心で物事を考え、迅速な行動を心に刻み、業務に取り組んでいこう」と呼び掛けた。
同市の県産業会館内の宇都宮商工会議所では藤井昌一(ふじいしょういち)会頭が大会議室に集まった全役職員約40人を前に訓示した。
昨年に続きコロナ禍の年明けとなったことを踏まえ、「どのようなことが起きるか見当がつかない。何かあれば臨機応変に対応することが必要になる。覚悟して業務に当たっていただきたい」と述べた。
JAグループ栃木は、宇都宮市の県JAビルで合同新年祝賀会を開き、約70人が出席した。JA栃木中央会の菊地秀俊(きくちひでとし)会長は「コロナに負けないよう一丸で突き進みたい。寅(とら)の絵柄のように、幸せの黄色と“黒字”になるよう負けない信念を貫いていく」とあいさつした。