バイデン米政権が中国の新疆ウイグル自治区などでの人権侵害に抗議する狙いから、北京冬季五輪・パラリンピックに政府代表を派遣しない「外交ボイコット」を発表し、2週間余りたって日本も政府代表を送らないことを決めた▼中国の人権政策がこの行動によって改善するとは思えず、米国に対して中国はすかざす「強烈な不満と断固とした反対」を表明し、対抗措置を取ると明言した▼その反応には、ショックの大きさがうかがえる。米国の政府代表が来なくても別に気には留めませんよと、軽く受け流すことはなかった▼米国に同調して、英国、カナダ、オーストラリアは政府代表を派遣しない方針だ。こうした状況となったことに、国際政治での対立が「平和の祭典」に暗い影を落とすのは残念だ、との声を耳にするようになった▼しかし、そこまで大きな影響を、果たしてこの外交ボイコットはもたらすだろうか。大会に参加する選手とテレビ観戦する全世界の大半のスポーツファンにとって、それはどうでもよいことだ▼米政権の発表直後、国際オリンピック委員会(IOC)は「各政府の純粋な政治的決定であり、政治的に中立なIOCはこれを全面的に尊重する」との声明を出した。五輪の本質的な価値が損なわれることはありませんからご自由に、との意味なのだろう。