オペラ「ラ・ボエーム」はプッチーニの名作オペラの一つ。ボエームとは、お金はないが夢と希望、自由を持つ芸術家を目指す青年たちを指す▼1830年代のパリを舞台とし、屋根裏部屋で暮らす青年たちの甘く切ない恋物語が展開する。大田原市の那須野が原ハーモニーホールは9日、ニューイヤーコンサートとして、ナレーションによる解説と日本語字幕が付いたハイライト版で上演する▼主人公で詩人の卵のロドルフォを演じる高田正人(たかだまさと)さん(宇都宮市出身)は企画・演出も担当。恋人ミミ役の大貫裕子(おおぬきひろこ)さんら楽器演奏も含めた出演者9人中7人を県内出身者で占める。初めてプロジェクションマッピングを導入し、舞台にパリの街を再現する▼同ホールにはオーケストラ・ピットがなく、総合芸術で費用がかかることもあり、オペラ上演は難しいとみられていた。それをピアノとパーカッションでの対応などで工夫を凝らし、これまで「蝶々夫人」「カルメン」などを上演してきた▼昨年はコロナ禍で中止したものの、新年オペラは6年目を迎える。誰でも分かりやすく楽しめる多様な音楽を市民に提供したい、という関係者の熱い思いで続いてきた▼お正月に鑑賞するオペラは一段と華々しく感じることだろう。年末の「第九」のように、県北の風物詩として定着しつつある。