新型コロナウイルス禍のステイホームで人との関わりが希薄になりがちな中、子育て中の母親が仲間とつながり、一人の女性としてかけがえのない存在だと実感してほしい-。子育て世代や若者たちを支えるNPO法人「とちぎみらいwithピア」が対面とオンラインの両方で子育て中の女性向け講座を始めたと聞き、長男(3)の子育て真っ最中の記者も参加してみた。

 同NPO法人は保健師や助産師、養護教諭などで組織。高村寿子(たかむらひさこ)理事長は思春期の若者や被災地の母親を長年支援してきたが、「思春期の若者から、子育て中の人、彼らをサポートする人が支え合うことで、夢を実現できる地域を目指したい」と2019年に同法人を設立。子育て仲間との出会いの場「ピアカフェ」、エンカウンターという手法で自分自身を見つめ直す「リ・フレッシュママクラス」などを開いている。

 今月4日、宇都宮市保健センターで開かれた「ピアカフェ」に長男と参加した。会場には1歳に満たない赤ちゃんを連れた女性から、子育てが一段落した“先輩ママ”まで20人以上が集まった。最初は緊張していたが、同じ母親同士、子育ての状況や世代は違っても「子どものイヤイヤがひどくて」「子どもが小さい時は必死だった」など、会話が自然と広がっていった。

対面で開かれた「ピアカフェ」では親子でハーバリウム作りを楽しむ姿も見られた

 母親たちがハーバリウム(植物標本)作りやグループワークに集中している間、子どもたちは年齢の違う子たちとおもちゃやお絵描きに夢中。帰る頃には親子とも笑顔になっており、お互い良い刺激になったようだ。

 一方、「リ・フレッシュママクラス」は東日本大震災の被災地の母親を支えるために開いてきた講座。仲間との出会いを通じて前向きに子育てできるよう心身のリフレッシュを促すのが目的とのことで、家族に子どもを預けて参加した。

 18、19日に初めて開かれたオンライン講座には記者を含めて4組が参加。高村理事長と日本助産師会副会長の安達久美子(あだちくみこ)さんが講師を務め、自分が尊敬している人や自分の好きなところなどを紹介し合った。

 2日目はイラストと形容詞で「大切にしているもの」を紹介するワークに挑戦し、参加者はこたつや家族の作った工作など、自分の宝物を思い思いに描いた。記者は家族に安らぎを与える存在としてお気に入りの縫いぐるみを挙げると、高村理事長は「大切にしているものを例えた形容詞は『自分自身はこうありたい』という思いの表れ。大切にしている理由がその人らしさにつながっている」と解説した。

 同法人は今後、思春期向けの講座なども展開していく方針。高村理事長は「コロナ禍での難しさもあるが、子育て中から思春期まで一人一人がかけがえのない存在であると再認識できるよう、切れ目なく活動を続けていきたい」と話した。