スーパーの店頭で安値で販売されている白菜=16日午前、宇都宮市宿郷3丁目

 栃木県内で白菜などの葉物野菜が安値となっている。今秋の好天で産地の出荷量が増えていることが大きな要因とみられ、白菜が例年より5割近く安い価格で店頭に並ぶスーパーもある。冬の寒さが本格化して鍋物野菜の需要が高まる中の安値に、消費者は「安くて助かる」と歓迎するが、生産者からは「もう下がってほしくない」との本音が漏れる。

 16日午前11時、宇都宮市宿郷3丁目のスーパー「かましんカルナ駅東店」。入り口すぐの棚には茨城県産の新鮮な白菜がずらりと並び、買い物客が次々に手を伸ばしていた。市内から訪れた50代主婦は「安いので今日は鍋にします。助かります」と頬を緩ませた。

 この日の店頭販売価格は白菜4分の1カット54円。青果担当責任者の菊地智之(きくちともゆき)さん(28)によると、例年は同サイズ100円前後が目安だ。「葉物野菜全般が安値」といい、キャベツは1玉84円と例年より約100円安い。県内に計30店舗を展開する「オータニ」の青果担当者も「葉物でも白菜やキャベツの大型野菜が特に安い」と明かす。

 宇都宮市中央卸売市場の青果卸売会社「東一宇都宮青果」などによると、安値の要因は今秋の好天で出荷量が増えたことだ。大きな自然災害も無く、茨城県や長野県などの主要な産地で生育が良く10月ごろからの出荷量が増えた。供給が安定しているため、安値は当面続く見立てだ。

 「『質高く』と丹精して育てた。この価格は見合わない」。宇都宮市内の直売所などに白菜を卸している同市不動前2丁目、農業大久保英隆(おおくぼひでたか)さん(57)は苦しい状況にうなだれる。

 秋の気温の高さが影響して虫対策などの管理が一層慎重に求められるようになる中での安値に、大久保さんは「白菜をやめる農家も出てくるだろう」と推察する。「しばらくは我慢するけれど、さらに下がると、来年以降の作付けを考え直さなくちゃならないね」