「聞く力」を掲げる岸田文雄(きしだふみお)首相。誰に、何を聞いたのかと問いたくなる。

 政府が経済対策に盛り込んだ18歳以下への10万円相当の給付。自民、公明両党による協議の末、現金とクーポンの5万円ずつを基本に配ることになった。困窮家庭への支援なのか、子育て支援か、消費喚起策か。両党の狙いの異なる公約を強引に合わせたため、給付の目的があいまいだ。効果も定かではない。

 さらに事務経費は、現金一括方式に比べて900億円増の1200億円規模に膨らむことも判明している。

 国会議員に毎月100万円支払われる「文書通信交通滞在費」を巡っても、世論の批判にもかかわらず、臨時国会では使途公開を含めた法改正までは至らない見通しだ。

 衆院選が終わりわずか1カ月だが、国民不在の政治が進んでいるように思えてならない。「地域の声を代弁者として国政に届ける」。選挙中、県内候補者が街頭で訴えるのを耳にしたが、私たちの声をどのように聞き、どう政策を実行していくのか。選挙後こそ注視していきたい。