政府が新型コロナウイルスワクチンの3回目接種を前倒しする意向を示したことを受け、栃木県内の複数の市町が計画の見直しに向け準備を始めた。ただし、政府からはワクチンの供給量など具体的な方針が示されておらず、接種券の配送には踏み切れない状況。9日までの下野新聞社の取材に対し、各市町の担当者からは「1日も早く確かな情報を提示してほしい」などと苦しい声が相次いだ。

 多くの市町担当者の頭を悩ませているのがワクチンの供給量やスケジュール、優先接種の対象者などの情報不足だ。

 「接種券の準備を検討しているが、供給スケジュールが見通せないと動けない」(鹿沼市)、「具体的な指示がなく困っている」(那須町)と不安視した。

 前倒しを「検討中」とする真岡市は「ワクチンの配分も定まらないままでは、予約できても打てないということになってしまう」と懸念した。

 日光市は「供給量が限られている中で、接種の優先度や対象範囲を国が示してくれないと、接種券を配送できない」と指摘した。

 同時に各市町は接種券の配送など事務処理への対応にも苦慮する。

 佐野市は前倒しをする場合、65歳以上を対象とした集団接種を「1月下旬にも始めたい」とする。担当者は「その場合、来週頭までにも接種券を発送しなければ間に合わない」と焦りを口にした。

 また国は3回目接種で米モデルナ製ワクチンの活用を想定しているため、異なる製品を打つ「交差接種」に伴う混乱を懸念する声も挙がった。

 多くの町民が米ファイザー製を接種したという壬生町は「県や国は、交差接種への不安を解消するよう広報周知をしてほしい」と要望した。

 国は3回目接種の間隔について当初、2回目の完了から原則8カ月以上としていた。間隔を8カ月後と想定すると、高齢者を対象とした3回目接種の時期について、県内全25市町のうち9市町が1月に開始すると回答した。15市町は2月とした。那珂川町は未定。ただし、国から前倒しの具体的な方針が示された場合、変更の可能性があるという。