有希ちゃんの墓前で冥福を祈る大沢小関係者=1日午前、日光市猪倉

 2005年12月、日光市(旧今市市)大沢小1年の吉田有希(よしだゆき)ちゃん=当時(7)=が殺害された今市事件は1日、発生から16年となった。刑事裁判の判決確定後も子どもの見守り活動を続ける同校関係者らは、有希ちゃんの墓前で冥福を祈るとともに、安全安心な地域を守る誓いを新たにした。

 午前9時ごろ、同市猪倉の墓前。事件後に発足した自主防犯団体「大沢ひまわり隊」の歴代隊長や、子どもの見守りに関わる地域住民ら8人が集まり、静かに手を合わせた。

 毎年命日に合わせ足を運ぶ粉川昭一(こなかわしょういち)市長(57)は初代隊長として参加し、「今でも有希ちゃんの告別式の日は忘れられない」と涙を拭った。粉川市長にとって16年前のこの日は、二度と同様の事件を起こしてはいけないと決意した日だという。

 事件後から登校時の同隊の見守り活動と、下校時の保護者の迎えが続いている。現在隊長を務める吉原(よしはら)かおりさん(48)は昨年度、児童だけでの下校の是非を学校側と話し合った。だが「どうしても児童が1人になる場面がある」と立ち消えた。

 今年6月に開かれた隊の総会でも見直しの声は出なかった。「絶対に子どもを守るという思い」が保護者の負担に勝り、登下校の風景は変わらない。

 同校の白石光人(しらいしみつと)校長(60)は昨年度の赴任後、同校保護者や地域住民の子どもを守る意識の強さを痛感した。「全児童の命を守るため、継続して一丸になって取り組みたい」と誓った。