習い事や部活などでスポーツに打ち込む小中学生。一生懸命に頑張るほど、オーバーユース(使い過ぎ)によるスポーツ障害のリスクは高まり、親としてけがは大変心配なところ。とちぎスポーツ医科学センターの池田達昭(いけだたつあき)センター長らにスポーツ障害や親ができるサポートなどについて聞いた。

池田達昭センター長

 池田センター長によると、子どものスポーツ障害は成長期で筋肉と骨の成長のバランスが悪いため、筋肉で骨が引っ張られて起きるという。起きやすい部位は膝(オスグッド病など)、すね(シンスプリントなど)、肘(野球肘など)、肩、腰など。

 もし子どもが運動後に筋肉の腫れや痛み、出血などを訴えた時には、アイシングをしてあげよう。ビニール袋に氷を入れ、ストローで空気を抜いたものを患部に20分ほど当てて冷やす。炎症が起きているときに温めるのは、逆に悪化するためNG。湿布を使う場合も冷湿布を使用し、温湿布は腫れなどが治まってから使用する。早めに病院を受診することも悪化させないために大切だ。

 成長期に体に負荷を掛け過ぎる運動やトレーニングは禁物。スポーツ障害を引き起こすだけでなく、骨端の成長が早まり、身長が低くなることも。大きな負荷のかかるトレーニングを始める時期を知るには、毎年身長を計測し、成長速度曲線を書いてみよう。最も山が高いピークハイトベロシティ(PHV)に達し、下降が始まったタイミングで始めるのが望ましいという。男子では中高校生、女子では中学生の時期にPHVを迎えることが多い。

 スポーツ障害の予防法として、子どもに人気のサッカーや野球などで履くスパイクにも気を配りたい。履くことでテクニックの習得ができるなどメリットがある一方、足を点で支えるため子どもには衝撃が大きく足を痛める要因にもなる。足を痛めないためにはインソールを入れて足への負担を軽減したり、トレーニングシューズやランニングシューズなど場面に応じて使い分けるのも一つだ。

肩のけがを防ぐための肩甲骨周りのストレッチ

 保護者として普段から食生活や体作りをサポートするのも大切。同センターの協力栄養士鈴木(すずき)いづみさんは「ちょうど身長が伸びる時期に、食事で一番手薄になるのが朝食」と指摘。おにぎりのみやパンと飲み物だけにせず、なるべくバランスよくフルーツや乳製品も一緒に食べさせよう。補食はスナック菓子ではなく、枝豆、シラス、ハムや卵の入ったサンドイッチ、おにぎりなどにしてタンパク質を意識的にとり、飲み物は牛乳やヨーグルトドリンクを選ぶのがいいという。

膝のけが予防に太ももの筋肉を伸ばすストレッチ

 また体作りでは運動前後、寝る前のストレッチはもちろん、幼少期から行いたいのがジャンプ。「ジャンプはさまざまな動きの基本が身に付き、けが予防になるだけでなく、適度な衝撃を与えることで骨の成長も促す。階段から飛び降りたり、縄跳びやトランポリン遊びをしたりするのもいい」と池田センター長。ちょっと危ないかなと思うような経験が後々、子どもの健康やけが予防につながるという。過保護になりすぎず、少し冒険させてみよう。

 競技の特性によっては幼児期から始めて専門性を高めた方がいい競技もあるが、早期に一つの競技に絞ることは体に負担となったり、燃え尽き症候群に陥ったり、将来伸び悩む傾向にあると言われたりするという。池田センター長は「子どもにあまり大きな負担を掛けすぎず、どう興味持たせてあげるか考えながらやらせてほしい」と話している。