14年ぶりに「萬年堂」を復活させた矢澤さん

14年ぶりに復活した「萬年堂」の和菓子

母・いつ子さん(右)の時代から愛されてきた看板を引き継いだ大野木さん

14年ぶりに「萬年堂」を復活させた矢澤さん 14年ぶりに復活した「萬年堂」の和菓子 母・いつ子さん(右)の時代から愛されてきた看板を引き継いだ大野木さん

 多くの個人商店が軒を連ねる街なか。何代も続く老舗がある一方、店主の高齢化など、さまざまな理由で閉店する店も少なくない。今回は少し変わった形で次世代へのバトンが引き継がれた2店舗を取材。それぞれの事情や思いに迫った。

 毎日自転車で通勤している記者。ある日いつもと違う道を通ると、真新しい和菓子店を見つけた。あれ?ここはずっとブラインドが下りていたような…。

 ■根付いた仕事を

 その店は「御菓子司 萬年堂」(東塙田2丁目)。気になって入店すると、代表の矢澤敬介(やざわけいすけ)さん(44)が明るく出迎えてくれた。黒糖まんじゅう(100円)とどら焼き(150円)を購入しつつ話しを聞くと、なんと7月、14年ぶりに復活オープンしたんだとか。

 もともとは矢澤さんの祖父・光継(みつじ)さんが戦後に創業。父の信一(しんいち)さんと矢澤さんが店を継いだが、結婚式場の和菓子需要の減少などを理由に、閉店することに。その後、矢澤さんは和菓子の世界を離れて運送会社に就職した。

 仕事の傍ら参加している地域のまつり団体「塙田睦会」の活動を通じ、矢澤さんは地区に根付いた仕事をしたいと思うようになった。決断の決め手は長男雄大(ゆうだい)君(4)の誕生だったという。「運送の仕事では雄大が起きる前に出掛けて、寝静まってから帰ってくる。一緒に過ごす時間をつくりたい」。再び大好きな和菓子をなりわいにすることを決めた。