女性の不安や悩みを聞き取る「つなサポ相談室」の出張相談会=13日午後、宇都宮市内(提供写真)

 毎月の必需品である生理用品が買えないほど追い詰められる「生理の貧困」の背景には、経済的な問題だけでなく新型コロナウイルス禍の影響による就職難や複雑な家族関係、病気など、さまざまな問題が潜んでいることが少なくない。済生会宇都宮病院の「つながりサポート(つなサポ)相談室」には、誰にも相談できないまま不安と悩みを抱えてきた女性の声が届き始めている。

 「お金はないのに、生理は来る。子宮を取ってしまいたい」。相談員から生理用品を受け取った30代女性が、苦しみを吐き出した。サービス業の仕事はコロナ禍で勤務時間が減り、辞めざるを得なくなった。その後、短期間の非正規労働でつないできたが、次の仕事は見つかっていない。

 親と不仲で、自宅にいられずに知人の家を転々としている。何とか収入を得ようと髪の毛を売ることも考えたという。「ナプキンにはお金がかかる」。不安そうな女性に、相談員は「また来ればいい。何かあったら電話して」と伝えた。

 大学進学と同時に親元を離れ、飲食業のアルバイトで生計を立てていた女子学生もコロナ禍でシフトが減った。まずは食べることが最優先。生理用品は安い物を選び、交換頻度をぎりぎりまで減らした。でも「漏れてしまうかもしれない」と心配で、授業に集中できなかった。「学校のトイレに生理用品があるといいのに」と望んでいたという。

 持病がありながら、何年も受診できずにいた非正規労働に従事する独身女性や、病気の親を介護するシングルマザー、育児放棄(ネグレクト)の状況下にある女子児童についての相談もある。安定した生活なしに、毎月の生理を安心して迎えることが難しい現状が浮き彫りになっている。

 「つなサポ相談室」を担当する同病院医療ソーシャルワーカー稲見一美(いなみひとみ)さん(51)は「たとえ生理用品が月数百円だとしても、痛み止めが必要な場合もある。生理痛がひどくても学校や仕事を休めず、つらい思いをしている女性は多い。男性も女性も正しく理解して、温かく見守る社会になってほしい」と話している。