県内で要支援・要介護認定の人は約9万人。超高齢化社会が進む中、介護が果たす役割はより重要になっている▼11月11日の介護の日を記念した県のオンライン講演会が開かれ、介護福祉士でモデルの上条百里奈(かみじょうゆりな)さん(32)が講演した。介護職に進むきっかけは、中学2年の老人福祉施設での職場体験だった▼休日に介護ボランティアを始め、高校でホームヘルパー2級、短大で介護福祉士の資格を取った。現在は都内の介護現場で従事しながら、大学の嘱託研究員として介護の研究をし、発信をするためにモデルとしても活動している▼「やりがい」が介護に携わる魅力なのだと言う。講演では認知症の女性(77)の実例を挙げた。何年も入浴せずパンと牛乳だけで生活。3カ月間通ってとにかく会話を続けたところ、やっと足浴をさせてもらった。翌日は髪を切り、さらに入浴へと進み、一緒にドライブするまでに至った▼人生を豊かにするキーワードとして「雑談」「信頼」「終わり方」の三つを挙げる。日常的な雑談を通して関わり、敬意を持って接する。どんなにつらい人生でも、幸せな最期を迎える権利は誰にでもあると主張する▼誰しも病気など老後の不安は尽きない。「笑って過ごせる環境をつくるのは介護士、というプライドを持って」との訴えに少し勇気付けられた。