宇都宮東武ホテルグランデの広々とした大宴会場。密を避けられ人気という=12日午後、宇都宮市本町

 新型コロナウイルスの新規感染者数の減少傾向が続く中、間もなく忘年会シーズンを迎える。昨年は感染「第3波」で大打撃を受けた栃木県内のホテルや飲食店。時間や人数の制限が緩和され予約件数は回復傾向にあるものの、少人数利用が「定番」になりつつある。プレミアム付き食事券の販売も始まり、関係者は「小規模の宴会でも店を利用してほしい」と切望する。

 宇都宮市本町の「宇都宮東武ホテルグランデ」は12月を前に企業などから予約が入り始めた。2020年の忘年会利用は数件にとどまっただけに、「回復への期待は大きい」と担当者。

 ただ、医療機関や学校関係を中心に大規模な宴会を自粛する動きは続き、数人単位での利用が目立つ。第6波の懸念もあり、担当者は「今後、キャンセルもあり得る」と気をもむ。

 同市中央2丁目の「割烹(かっぽう) 伊志佐岐(いしさき)」は約60人に対応できる大広間もあり、官公庁や企業などの宴会を多く手掛けてきた。2代目の石崎友章(いしざきともあき)さん(44)は「人数制限の緩和はありがたいが、予約は少人数が圧倒的に多い。様子見の企業が多いようだ」と話す。

 栃木市万町で「Genki CAFE辰元(たつもと)」を経営する渡辺真(わたなべまこと)さん(45)も「宴会に対して周囲の目を気にする風潮がまだまだあるのでは」と指摘する。

 昨年よりは「まだまし」だが、予約は例年の半分にも満たない。通常は30人以上で貸し切り対応をするのを20人に下げているが、「もっと少人数で貸し切りにしてほしいという問い合わせもある」という。

 佐野市伊賀町の居酒屋「ちゃこや」の店主朝鳥亘(あさとりわたる)さん(45)は「予約はコロナ前の1、2割。会社名で忘年会をするのはまだまだ控えている印象」とみる。

 ランチの食事は盛況だが、夜の酒類の売り上げが店の利益に直結する。販売が始まったプレミアム付き食事券への期待もあるが、「居酒屋や飲み会にまで波及するかどうか」と懸念している。