入社して四半世紀近くたち初めて取材現場を離れた。4月から地域面のデスクを担当し、日々現場から送られてくる原稿に目を通している。

 デスクは文字通り現場に立たない。もちろん記者とやりとりはするが、基本的に得られる情報は原稿の内容が全て。「最初の読者」と言われるゆえんだ。

 戸惑いながらも半年が経過し、「想像する」ことが習慣になった。匂いや温度といったものを直接感じられないデスクにとって、原稿を通してさまざまな光景をイメージすることが新たな楽しみにもなっている。

 新型コロナウイルス緊急事態宣言が解除され1カ月余り。ほぼオンラインに限られていた催しが感染対策に留意しつつ行われるようになり、紙面に「歓声」の文字が躍る機会も出てきた。笑みを浮かべる子どもたちの気持ちに思いをはせては、自粛一色だった頃からの季節の移ろいを感じる。

 県内感染者ゼロの日が続いている訳ではなく、第6波への備えを怠ってはいけない。その上で、この先も歓声が増えていく紙面をふと想像している。