35年の取り組みを総括する坂原さん=11日午前、佐野市役所

 足尾鉱毒事件の解決に奔走した佐野市出身の政治家田中正造(たなかしょうぞう)の思想を現代に伝える同市の市民団体「田中正造大学」は11日、35年にわたる活動に来春をもってピリオドを打つと発表した。事務局の高齢化などが主な理由という。「断腸の思い」と語る事務局長の坂原辰男(さかはらたつお)さん(69)は、「正造大学の受講者らにこれまでの研究を引き継いでもらいたい」と切望した。同団体は来年、35年の活動を1冊にまとめた記念誌を発行する計画だ。

 同団体は正造の思想や行動について継続的に発信し、現代社会にも生かしていこうと1986年に発足。同市の小中町集落センターで開かれた開講講座では、公害問題研究家で元沖縄大教授の故宇井純(ういじゅん)さんが「地域と共に生き、地域から学ぶ」と題して講演し、市民ら330人が耳を傾けた。