県内の労働災害発生状況

 県内で1月~9月に発生した労働災害の死傷者数(休業4日以上)は、前年同期比26・1%増の1566人に上り、増加率が過去最高となっていることが11日までに、栃木労働局のまとめで分かった。死者は10月末時点で15人となり、20年の年間死者9人を大幅に上回っている。同局は「誠にゆゆしき事態」として、事故防止を呼び掛ける緊急メッセージを発出した。

 同局によると、年間の死傷者数は過去最少だった2009年の1722人から徐々に増え続け、20年は1997人だった。今年の死傷者数は9月末時点で、前年同期より324人多い。現状から推定した今年の死傷者数は2518人で、24年ぶりに2500人を超えることになる。

 今年発生した労働災害の死者15人のうち、3人は10月に亡くなった。死亡災害を類型別にみると、「墜落、転落」が5人と最も多い。「交通事故」が3人、「崩壊、倒壊」と「はさまれ、巻き込まれ」がそれぞれ2人と続いた。手すりや安全カバーの設置といった、基本的な安全対策を講じていれば防げたものが大半という。

 業種別では建設業と道路貨物運送業が4人ずつと最多で、第3次産業3人、製造業2人だった。

 死傷者数の増加は、全国的な傾向でもある。同局は8月にも関係団体に労働災害防止の緊急要請を出したが、歯止めがかからない状況だ。10日付で業界関係者向けに出した緊急メッセージで「起こるべくして起きた災害がほとんどであることは残念でならない」と指摘した。

 担当者は増加要因の可能性として、新型コロナウイルスの感染拡大が始まった前年より社会活動が活発になったことを挙げ、「安全対策もあらためて徹底してほしい」と呼び掛けた。