初冬の風物詩である干し柿が民家の軒に下がり始めた。福島県境に近い那須町大畑、木材業菊地尚(きくちたかし)さん(84)方では約1600個の実がカーテンのようにつるされ、冬の足音が近づく里山に彩りを与えている。
菊地さんは20年ほど前から妻良子(りょうこ)さん(83)と干し柿作りを行っており、今年は1週間前から作業を始めた。渋柿の「蜂屋柿」「西条柿」を手むきしてひもにつなぎ、湯通しした後、竹ざおに等間隔につるしていく。
柿は先に干したものから褐色に変化していき、1カ月ほどで甘い干し柿に仕上がる。菊地さん方では暮れに餅と一緒に詰めて親類や友人に送るといい、夫妻は「喜んでくれればうれしい」と話していた。