紅葉の最盛期を目前にしたもみじ園を町職員に案内する上野悦雄さん(左)

 9月に病死した高齢男性が栃木県茂木町深沢の高台に約30年かけてモミジやカエデを植え続けたモミジ園が、今年も紅葉の最盛期を迎える。一時は園の存続が危ぶまれたが、いとこの同所、上野悦雄(うえのえつお)さん(72)が後を引き継いだ。広大な敷地に500本が色づく園は、来年には男性の戒名から「瑞光園(ずいこうえん)」の名で再出発する。町も観光資源化に乗りだした。

 「何とかおめえの力でやってくれねえか」

 毎年こつこつとモミジを植え続け、77歳で亡くなった上野光雄(うえのみつお)さんが、五つ年下のいとこの悦雄さんにモミジ園を託したのは今年6月。悦雄さんが兄のように慕った光雄さんはその後1週間して入院し、3カ月後に帰らぬ人となった。

 「みっちゃん(光雄さん)は死期を悟っていた。引き受けないわけにはいかない。皆が遊べる場所にというのが故人の望み。力の及ぶ限り維持したい」と悦雄さんは話す。

 光雄さんが「錦秋の園」と看板を掲げたモミジ園は知る人ぞ知る穴場だった。敷地は長男の会社員信幸(のぶゆき)さん(46)が相続したが、ファンは園の先行きを案じていた。

 広さは約1ヘクタールもあり、下草刈りだけでも大変だ。「4カ月で4回刈ったが2時間やってもどこを刈ったか分からない。正直安請け合いしたと思った」と言うほど悦雄さんは苦闘した。木を枯らすカミキリムシや根元を掘り返すイノシシの獣害との戦いも悩みだ。

 町も町南部の観光資源として着目し、5日には商工観光課職員2人が園を訪れた。「品種は数十あり、木によって違うがあと10日ぐらいが見頃。光雄さんは春の新緑を特に愛した」などと言う悦雄さんの話を熱心にメモ。手描きのマップを作り、町のホームページにも掲載する予定だ。

 今季は無料開放し、来年は整備協力金を設定したいという。場所は県道深沢岩瀬線の茨城県境手前右側。(問)町商工観光課0285・63・5644。