展示車両が収容台数の半数に満たない日昇自動車の展示場=10月下旬、宇都宮市台新田1丁目

 世界的な半導体不足などによる新車の生産停滞が、栃木県内の中古車市場にも影響を及ぼしている。市場に出回る台数が減少し、価格が高騰している。先行きが見通せない状況に販売店や客からは困惑の声も聞かれる。

 「隙間がありすぎて、閉店したのかと思われかねない」。宇都宮市台新田1丁目の中古車販売店「日昇自動車宇都宮店」の中山智晶(なかやまともあき)店長(38)は苦笑する。

 10月下旬、約60台収容の展示場に並ぶのは半数足らずの27台。売約済みの客に納車までの間、展示を頼んでいる車両もある。インターネットの情報を頼りに青森県や静岡県からも客が足を運ぶという。「車を探すお客さんも必死。需要はあるのに売る車がない」と頭を抱える。

 小山市東城南2丁目の東京オート小山店。10月下旬に店舗を訪れ、中古の軽自動車を探していた女性(50)は「コロナ禍で収入が減り、新車は諦めた。価格が上がれば中古車も手が届かなくなる」と嘆いた。

 半導体不足やコロナ禍による東南アジアの工場での部品減産などが響き、新車は車種によっては納車まで1年かかるという。そのせいか、販売台数が鈍い。

 日本自動車販売協会連合会県支部と県軽自動車協会によると、10月の県内新車販売状況は、軽自動車を除く自動車(登録車)が前年同月比32.5%減の3332台、軽自動車は36.0%減の1837台。登録車は2カ月連続、軽自動車は5カ月連続の前年割れ。

 県内のトヨタ自動車系列店の担当者は「樹脂関係などあらゆる部品が供給不足で、メーカーに問い合わせても明確な納期が分からない。お客さまに迷惑を掛けている状態が続くと困る」とため息をついた。

 新車も含め市場に出回る台数が減少していることから、メーカー系列の販売店での定価販売と異なる中古車市場では高騰が続く。

 県中古自動車販売協会が開催するオークションでは、通常100万円程度の未使用の軽乗用車が150万円で落札される事例も珍しくない。大手業者が年末からの書き入れ時に向けて商品確保を急いでいるという。協会の担当者は「資金力のある大手以外は仕入れに苦しんでいる」と明かす。

 東京オート小山店の五島直樹(ごとうなおき)店長(42)は「新車が入らず、どこも中古車の仕入れに躍起だ。新車の供給が戻らないと中古車市場は落ち着かない。この1、2年の話ではない」と、不透明な先行きを危惧する。