翻訳したごみ分別ポスターを作成した正田さん(後列右)とスリランカ人女性たち

 栃木県足利市葉鹿町、日本語教師正田江利子(しょうだえりこ)さん(46)と、正田さんから日本語を学ぶスリランカ人女性6人が5日までに、市のごみ分別ポスターを同国の公用語であるシンハラ語とタミル語に翻訳した。今後、市役所や地域のモスク、ハラール食品店を通じ、必要な住民に配布していく。市内に住むスリランカ人は840人と、最多のベトナム人の928人に次いで多いが、両言語によるポスターはなかった。

 市は英語、中国語など5言語のごみ分別ポスターをホームページで公開しているが、外国人がアクセスしにくく、市民からは「外国人がごみ出しのルールを守らない」といった苦情が寄せられるという。

 こうした状況を受け市は今春、山前公民館で日本語教室を開く正田さんにポスター翻訳を依頼した。群馬県認定の多文化共生推進士でもある正田さんは「世界にはごみ分別をしない国もあるし、ごみステーションがない国もある。市が外国人に分かる方法で分別方法を伝えなかったら、正しいごみ出しができるはずがない」と感じていたという。

 正田さんは日本語教室でポスターの内容を「やさしい日本語」にかみ砕き、教え子であるスリランカ人女性6人に母語への翻訳を宿題とした。翻訳された文章はメールでやりとりし、内容の検証を重ねた上で、市から提供されたポスターに割り付けていった。

 6人のうちの一人で、夫と子ども2人と暮らす五十部(よべ)町、会社員ファウミ・アズハさん(29)は「翻訳は私たちの仲間にも役立つことだと思って取り組んだ。母語で書かれたポスターがあれば、私たちもきちんとごみを分別できる」と話していた。