衆院選の投開票日だった10月31日は4年前、切断された9人の遺体が神奈川県座間市のアパートで見つかり、男が逮捕された日でもあった。うち8人は15~26歳の女性だった▼生きづらさを感じる若い女性が、会員制交流サイト(SNS)で見知らぬ男と容易につながり、餌食になる理不尽。県内でも2年前、大阪市の女児がSNSで知り合った小山市内の男の家から逃げ出し保護される事件があった。現代の闇を感じざるを得ない▼「忘れない」。座間の事件をきっかけに、若い女性を対象にしたSNS相談を強化したという東京の支援団体BONDプロジェクト代表の橘(たちばな)ジュンさんが、県とちぎ男女共同参画センターの講演会で悔しさをにじませた▼新型コロナ禍は特に女性にダメージを与えたが、中でも少女を一層追い詰めたと話す。例えば親に虐待されている高校生。学校は休校、バイト先はなくなり、ネットカフェやカラオケ店も休業し、行き場を失った▼もちろん学校や行政などに助けを求められればよいのだが、本人にはハードルが高く、結果、危険と隣り合わせのネットに救いを求めてしまう▼県内の民間支援団体のスタッフも、似た境遇の女の子は身近にいると感じている。どうやったら寄り添った支援ができるのか。地域や官民の壁を越え、真剣に考える必要がある。