衆院選の投開票から一夜明けた1日、県内経済界からは安定した政権運営を期待する声が上がった。一方、争点になった経済対策について「ばらまき」とならない実効性のある政策実行を求める意見も聞かれた。

 県経営者協会の青木勲(あおきいさお)会長は「与党が絶対安定多数を確保し、安定した政策を継続できる」と歓迎した。一方自民党としては、現職幹事長初の小選挙区での敗北や、閣僚経験者の相次ぐ落選に「政権運営や政策で反省すべきところは反省し、改善すべきところは改善していただきたい」と苦言を呈した。

 選挙戦では与野党が現金給付などの経済支援策を打ち出した。「『人気とりのばらまき施策』などとやゆされることのないよう、しっかりした内容にしてほしい」と要望した。

 県経済同友会の松下正直(まつしたまさなお)筆頭代表理事は岸田政権の継続を踏まえ、「短期的には新型コロナウイルスの感染防止と経済活動の両立、中長期的には成長と分配における成長戦略が重要」と強調した。

 当面の景気回復対策については、財政、金融の正常化への大枠の道筋を示した上で、「総花的でない効果的な財政支出に取り組んでほしい」と注文を付けた。

 「選挙前の議席と大きな動きがなく、政局が落ち着くのではないか」。フタバ食品(宇都宮市)の増渕正二(ますぶちしょうじ)社長はこう分析した。新型コロナの第6波到来が懸念される中、「コロナ禍を克服し、経済を再生していくことを望みたい」と話した。経済成長には「製造業を含め産業のデジタル化が欠かせない」としていっそうの支援を求めた。

 JA栃木中央会の菊地秀俊(きくちひでとし)会長は「選挙民が安定した政権を望んでいる」と受け止めた。政権与党に対しては「公約で示したことにスピード感を持って実行に移してほしい」。その上で「農業などの第1次産業だけでなく、2次、3次も含めて全ての人が平等に豊かな生活を送れるように取り組んでほしい」と訴えた。