風で揺れるのぼり旗には「日本のリーダーへ!」の文字。自民党前職の茂木敏充(もてぎとしみつ)氏(66)を乗せた選挙カーを数百人の支持者が拍手で出迎えた。

 公示後初の土曜日の23日。足利市内の商業施設前で、スーツの上に白いジャンパーを羽織った茂木氏がマイクを握った。全国を応援演説で駆け回る日々。選挙区入りは公示日以来、4日ぶりだ。広島から戻ったこの日も、自民新人と立憲民主党前職が激突する2区を回ってから地元入りした。

 「次は総理」という地元支持者の期待を背負い、言葉に力が入る。「さらなる高みを目指す選挙。ご支援よろしくお願いします」

 早川尚秀(はやかわなおひで)足利市長は「力のある国会議員が、地域発展のために必要です」と強調した。

 岸田内閣で引き続き外相の要職を託された茂木氏。10期目を狙う戦いは共産党新人との一騎打ちだ。報道各社の情勢調査で軒並み優勢と伝えられるが、陣営幹部は得票率アップに向け「緩み」を戒める。

 栃木、佐野、足利と3市を回った同日の演説場所は、全て期日前投票会場の近く。茂木氏自ら「免許証も何もいらないので、ぜひ投票に行ってください」と呼び掛けた。棄権による票の目減りを避ける狙いだ。

 5区での活動はわずか2時間余りで、群馬県へ。投開票日まで再び地元に戻れるかは分からない。だが、留守中は選挙区内に張り巡らせた後援会支部の組織力でカバーする。本人不在でも集会や企業訪問を重ね、支持固めに余念がない。

 牙城に挑む共産新人の岡村恵子(おかむらけいこ)氏(68)は連日、選挙カーで選挙区内を回っている。選挙終盤の27日は、住宅地や幹線道路沿いなど栃木市内12カ所で、街宣車の上からグレーのスーツ姿で力強く訴えた。

 細い路地までくまなく回り、徹底した遊説戦術を貫く。立民との共闘関係については「政権に共産党が入ると危険だと言う人がいるが、共産党は太平洋戦争に最後まで反対を貫いた。命を何より大事にする政党です」と主張した。

 立民から具体的な支援はないものの、連合加盟労組幹部が市民団体の立場で応援演説に立つことも。選対幹部は「政府への批判票を取り込み、自民候補との差を縮めたい」と力を込める。

 現在1議席の比例代表北関東ブロックでの議席増も重要な課題。演説で岡村氏は、自身への投票を促すよりも先に「比例は日本共産党へ」と呼び掛けた。