3区の大票田・大田原市。車の通行量が多い市中心部の交差点で、2人の候補者が入れ替わりで演説に立った。

 24日午前、先にマイクを握ったのは自民党前職の簗和生(やなかずお)氏(42)。「国とのパイプ役として、引き続き皆さまの声を国政に届けていきたい」と声を振り絞った。

 後援会総連合会長の津久井富雄(つくいとみお)市長らが駆け付ける中、災害対応などに奔走してきた3期9年の実績をアピールし、支持拡大を訴えた。買い物客らとグータッチで触れ合い、写真撮影にも応じた。

 落下傘候補として初当選して以降、地元をくまなく回ってきた。各市町に後援会組織を立ち上げるなど地盤を着実に固め、陣営幹部には首長や県議、業界団体らが名を連ねる。

 23日は農林水産分野で親交のある江藤拓(えとうたく)元農相による応援演説会を那須町内で開催。3区内の農業団体幹部らが勢ぞろいし、米価下落など地元の課題を聴き取った。21日には所属する細田派幹部も来県し、党本部とのつながりを強調した。

 序盤情勢で優位と報道されたが、陣営は「まだまだ足りない」と緩みを警戒し、組織の引き締めを図る。街頭演説や関係者回りを重ね、投票率向上も訴える。前回得票数の約7万4千票以上を目標に、相手候補の比例復活も絶つ圧勝を目指す。

 24日、簗氏の街宣から約30分後に、立憲民主党新人伊賀央(いがひろし)氏(57)が姿を見せた。政府の新型コロナウイルス対策批判や消費税減税などによる経済対策を訴え、「私はあなたの声になる」と力強く繰り返した。

 同日は矢板市内も回り、連合本部の井上久美枝(いのうえくみえ)総合政策推進局長が応援演説。差別的だと批判された簗氏の性的少数者を巡る発言を念頭に「ジェンダーなどの課題を解決するため、ぜひ伊賀さんを国政に送り出してほしい」と呼び掛けた。兵庫県豊岡市議時代の同僚市議らも応援に入った。

 党県連の公募に応募し、3区では2005年衆院選以来の民主系候補者となった。新型コロナの影響などで活動が進まず、知名度不足の克服が今も大きな課題だ。連合栃木などの支えも受け、ゲリラ的な街宣を重ねる。陣営は「少しずつ浸透してきた。反応は悪くない」と手応えを口にする。

 劣勢が報じられる中、伊賀氏は「『今の政治はおかしい』という思いをぜひ私に託してほしい」と訴え、無党派層に加え自民支持層の批判票の取り込みも狙う。