衆院選公示後初の週末。好天に恵まれた秋空の下、1区の候補者4人は大票田の県都・宇都宮市内を駆け巡っていた。

 23日午後、自民党前職船田元(ふなだはじめ)氏(67)は同市関堀町の街頭に立った。応援には福田富一(ふくだとみかず)知事、佐藤栄一(さとうえいいち)市長が駆け付けた。

 県内5選挙区の中で唯一、野党候補が一本化されなかったが、船田陣営の危機感は強く、組織戦を徹底する。解散から投票日までの期間が戦後最短の今回の選挙。佐藤市長は「組織が大きく動くのに時間がかかっている。今までと違う」と厳しい表情で支持を呼び掛けた。

 宇都宮では、無党派層の動向が選挙戦の鍵を握る。同日夕方、船田氏は市中心部でも演説し「大変厳しい状況。13期目にやりたいことはいっぱいある」と声を振り絞った。

 2度目の挑戦となる立憲民主党新人渡辺典喜(わたなべのりよし)氏(38)は24日、家族連れらが行き交う市中心街のユニオン通りからオリオン通りを1時間半かけて練り歩いた。

 交差点でマイクを握った渡辺氏は「この9年間の自民党政権に丸を付けていいのか」と問い掛けた。新型コロナ禍で影響を受けた人から500件以上の相談を受けたと訴え、「本当に困っている人の声を聞く政治を実現する」と力説した。

 選挙期間中、1日40回を目標に遊説をこなす。陣営幹部は「日を追うごとに反応は良くなっている」と手応えを語り、残された期間で非自民票の取り込みに全力を挙げる。

 日本維新の会元職柏倉祐司(かしわくらゆうじ)氏(52)は23日午後、細谷町のスーパー前でスーツにたすき姿で演説した。「医師として今やらなければいけない感染危機管理を国政において成し遂げたい」。往来する買い物客らに感染症対策や介護医療の充実を訴えた。

 4度目の選挙は維新から出馬。柏倉氏は「自民ではできない改革を進める」と第3極の立場を強調。県内では維新の支持基盤は脆弱(ぜいじゃく)で「厳しい選挙」と受け止めている。支援者のつてを頼りにミニ集会などをこなし、無党派層の掘り起こしに力を入れる。

 同日、共産党新人青木弘(あおきひろし)氏(60)は市東部地区で遊説。商業施設や地区市民センターなどを巡り「政権交代を果たし、国民の命と暮らしを守る新しい政治をつくりましょう」と声を上げた。

 商業施設前では党が掲げる消費税減税を主張。自公政権への対決姿勢を鮮明にし、比例票の上積みも目指す。