スマホをかざして商品を購入する黒本頭取(左)=25日午前、宇都宮市

 銀行支店の遊休スペースを活用し、農産物などをスマートフォン決済などで購入できる無人店舗「スマートストア」の実証実験が25日、栃木銀行(黒本淳之介(くろもとじゅんのすけ)頭取)御幸ヶ原支店(宇都宮市御幸ケ原町)でスタートした。人口減による労働力不足や食品ロスなど社会的な課題を、情報通信技術(ICT)の活用でどこまで補えるかを探る。2022年4月まで店舗を運営する。

 実証実験は、システムを提供するNTT東日本栃木支店(小林博文(こばやしひろふみ)支店長)の呼び掛けで、同行のほか商品を供給する地域商社のファーマーズ・フォレスト(宇都宮市新里町、松本謙(まつもとゆずる)社長)が参画した。NTTグループがスマートストアで銀行と連携するのは初めて。データを収集して今後の展開に生かす。

 店舗にはパンの耳など普段なら廃棄されてしまうような食材を利用した食品や障害者施設で作られるなどしたエシカル(倫理的)商品、地元の農産物、乳製品など約190品目が現金自動預払機(ATM)コーナーのスペースに陳列された。この日、黒本頭取、松本社長、小林支店長は、ファーマーズ・フォレストの担当者から商品構成について説明を受け、買い物のデモンストレーションを行った。

 黒本頭取は「地域に根差した銀行とICT、SDGs(持続可能な開発目標)に通じるエシカルを融合して提供することで地域活性化、将来の労働力不足に貢献したい」と述べた。実験で得たノウハウを取引先企業にも提供していく考えも示した。

 道の駅運営などを展開する松本社長は「時代も随分変わっており、新業態を展開しないといけないと考えている。実証実験で得られる効果を参考に次にチャレンジしたい」と語った。

 今回のシステムについて小林支店長は、投資コストが低く、導入しやすい特徴を説明し、「地域の困り事をICTで解決したい」と話した。