校則に関して話し合う足利清風高の生徒。身近なルールについて考えることが主権者教育につながっている=9月下旬、足利市山下町

 衆院選は31日の投開票まで5日となった。選挙の度に若年層の投票率の低さが指摘され、学校での主権者教育の重要性は高まっている。栃木県内では生徒会役員選挙を生かした取り組みや、主権者教育以外の活動で生徒が自然と有権者意識を育む動きもある。「行動すれば変わるかもしれない」。学びを得て、今回、初の1票を投じる生徒もいる。

 真岡西中の生徒会役員選挙。候補者が廊下で“街頭演説”し、投票箱と記載台は実際の選挙のものを使う。2016年の「18歳選挙権」導入を機に、同校は主権者教育に力を入れ始めた。投票日を日曜日に設定し、期日前投票を実施したこともある。

 今年はコロナ禍のため日曜日の投票は見送るが、生徒が持つタブレット端末で“政見放送”を見られるようにする予定という。

 生徒は各候補者の主張を聞き、自分の考えに近いのは誰か見極める。「自ら情報を集め、判断して投票先を選べる有権者になってほしい」と生徒会担当の月井千心(つきいちさね)教諭(24)は力を込める。

 同校の主権者教育を受けた真岡高3年吉田晃平(よしだこうへい)さん(18)は今回の衆院選で初めて1票を投じる。「選挙が人ごとになりがちな中学生の時に、本格的な投票の体験ができて良かった。(衆院選に)関われるのはうれしい」。同河又和志(かわまたかずし)さん(17)はまだ投票権がないが「1回疑似的に体験したので(投票に対して)抵抗感は少ない」と言う。

 足利清風高1年石山茶那(いしやまさな)さん(15)は校則を見直すプロジェクトに参加し、政治の見方が変わった。

 今夏、校内の自動販売機のルール見直しを学校側に提案し、それまで使用禁止だった10分間の休み時間も使えるようになった。変わらないと思っていた校則を変えることができた。「今までは政治家に不満があっても『どうせ変わらない。1票入れても無駄』と思っていた。でも『行動すれば変わるかも』と気付けた」

 プロジェクト担当の小滝智美(こたきともみ)主幹教諭(50)は「主権者教育がそもそもの目的ではないが、結果的にそこにつながっている」と捉える。