記者会見で現役引退を発表する萩野=24日午後、都内

 「神童」と呼ばれ、幼少から数々の金字塔を打ち立ててきた競泳の萩野公介(はぎのこうすけ)(27)が24日、現役引退を発表した。みゆきがはらスイミングスクール(宇都宮)で作新学院高3年時まで指導した前田覚(まえださとる)コーチ(49)は「小さい頃から騒がれて、最終的には世界一になれた。最後はけがに泣かされたが、いい水泳人生だったんじゃないかな」とねぎらった。

 前田コーチが萩野の胸の内を知ったのは東京五輪直後。慣れ親しんだプールを訪れた際、引退の意向を聞いたという。

 共に過ごした時間の思い出は数知れない。中学時代に半月板を損傷して手術をしたことや、ロンドン五輪の選考会に向けた練習中に逃げ出したことなど。苦しんでいた場面が多いのは「駄目になっちゃうのかなと思うたびに復活してくれた」というカムバックが強く印象に残っているからだ。

 「いろいろなヤマ場を越えて、数々の奇跡を起こしてくれた」と回想。「体が大きいわけでもないのに、水泳のセンスの塊というか、水の申し子というか。こんな選手もう現れないんじゃないか」と思いを語る。「水泳界の化け物」とまな弟子に最大級の賛辞を贈り、「本当にお疲れさまと言ってあげたい」。