「格差を是正し、笑顔があふれる日本をつくろう」。衆院解散から一夜明けた15日。6期目を目指す立憲民主党前職福田昭夫(ふくだあきお)氏(73)は鹿沼市内の会合で声を張った。

 陣営の目標得票数は8万票。2012年衆院選は約4万6千票だったが、14年は約6万2千票、17年は約7万5千票と自民大勝の過去2回も票を増やしてきた。「相手候補に惜敗もさせない」。選対委員長の松井正一(まついしょういち)県議は、自民新人五十嵐(いがらし)清(きよし)氏(51)の比例復活も阻止する構えだ。

 陣営は支持固めに余念がない。今回は市町議による支援組織を初めて設立。会員制交流サイト(SNS)の活用など若年層や無党派層の取り込みにも力を注ぐ。

 着実に運動を展開するが、懸念材料は複数ある。福田氏を支える地元県議は、19年県議選で立民2人が落選したため、松井氏1人に。「昭夫党」と呼ばれる堅固な支持者たちの高齢化も懸念される。さらに、五十嵐氏は年齢が2回り近く若い候補。陣営幹部は「やりづらさはある」と警戒する。

 無所属だった前回とは違い、立民で出馬。野党4党の共闘になるが、無党派層を含め幅広く支持を得られるかが注目される。

 県議から転身を目指す五十嵐氏は14日夜、日光市内の会合で「人口減が進む2区に必要なのは責任政党の議員だ」と力を込めた。

 自民県連の公募で五十嵐氏の擁立が6月に決定してから約4カ月。この間、公認争いによって本格的な活動は大きく出遅れた。

 今月8日、西川公也(にしかわこうや)元農相の長男で自民の西川鎭央(にしかわやすお)前県議(50)が比例に回る方針を表明。公認問題が選挙直前に決着した。「様子見だった人の協力を得やすくなった」と陣営関係者は胸をなで下ろす。

 自民県連は2区を「最重点区」に位置付け、遅れの巻き返しを図る。対立していた西川元農相を選対顧問に迎え入れ、鎭央氏の地盤でもある高根沢町出身の高橋克法(たかはしかつのり)参院議員を選対本部長に就けた。自民県議4人が選対の柱となり、急ピッチで態勢を整える。

 小山市出身の五十嵐氏は「国替え」のため、知名度不足が大きな課題。他にも大票田の鹿沼市で以前から自民勢力が割れていることや、5月の日光市長選が分裂選挙になった影響も残る。さらに公認を巡ってくすぶる不満など支援態勢で克服すべき問題は少なくない。

 陣営関係者の1人は「五十嵐、西川の票を足せば確実に勝てる。あとはどれだけ挽回できるかだ」。超短期決戦の中、挙党態勢の構築が最大の焦点になる。