レギュラーガソリン「167円」の価格表示。原油高を背景に高騰が続く=20日午後、鹿沼市上石川

 原油高を背景にガソリン価格の高騰が続いている。国が20日に発表した栃木県内の平均小売価格はレギュラーが1リットル当たり164円となり、2014年10月以来、7年ぶりの高水準となった。コロナ禍の収束傾向に伴い経済活動が再開し、原油の需要はさらに増すとみられる。関係者は「当面、価格が下がる要素は見当たらない」とみる。ガソリンスタンド(GS)や消費者は苦悩し、観光施設などもコスト増を懸念している。

 「高いですね。でも通勤で毎日車に乗るので…」。20日午後、鹿沼市上石川の給油所「鹿沼インターSS(サービスステーション)」で、会社員男性(28)はため息をついた。

 この日のレギュラー価格は「167円」。店は給油や窓ふきをスタッフが行う「フルサービス」が売りで、セルフ店などよりも5~6円ほど高いという。「丁寧な接客とサービス」で顧客を獲得してきた。

 しかし高橋英昭(たかはしひであき)所長(52)は「『1円でも安く』というお客さまは他店に流れてしまった」と苦悩する。仕入れ値の上昇分を、そのまま販売価格に転嫁できるわけではない。「非常に苦しい」と声を落とした。

 経済産業省資源エネルギー庁によると、県内のレギュラー1リットル当たりの平均小売価格は7週連続で値上がりしている。昨年10月は130円台で、この1年間で30円近く値上がりした。

 県石油商業組合によると、冬場に向けた原油の需要増の一方、石油輸出国機構(OPEC)とロシアなど非加盟の産油国が景気の先行きが不透明として増産を見送っており、高騰は「当面続く」とみる。

 影響は多方面に波及している。日光市小佐越のベゴニア園「日光花いちもんめ」は温室のボイラー燃料に重油を使う。12月のイチゴ狩りシーズンを控え、石川正夫(いしかわまさお)園長(76)は「コロナ禍の客足減とコスト増でダブルパンチだ」と嘆く。

 石油系の溶剤を使う宇都宮市大曽5丁目、「クリーニング洗(あらい)」の荒井弘幸(あらいひろゆき)代表(54)は「この先の経費の請求が不安」としつつ、「お客さまのためにもそう簡単に値上げはできない」と語った。