昭和軒のカレーライス

厨房に立つ鶴見さん夫婦

昭和軒のカレーライス 厨房に立つ鶴見さん夫婦

 真っ赤な福神漬けが添えられた黄色いカレーライス。昭和世代には懐かしく、若い世代には新鮮に映る。

 創業は大正末期。3代目店主鶴見徳幸(つるみのりゆき)さん(63)の祖父・故喜三郎(きさぶろう)さんが屋台から始め、1927(昭和2)年に店を構えた。

 「現在のメニューのほとんどは、当時のレシピ通りに作っている」と鶴見さん。看板メニューの一つであるカレーライス(700円)は妻の利子(としこ)さん(61)がルー作りを担当する。

 ラードで炒めたカレー粉と小麦粉を木べらで1時間ほど練り上げ、鶴見さんが丹精した中華そばのスープを加えれば夫婦自慢の一品は完成だ。

 具は豚肉とタマネギのみと至ってシンプル。マイルドな辛さで、ソースをかけて食べる常連客も多いという。「数十年ぶりに来られたお客さまに、懐かしい、変わらない味でよかった、と言われるのがうれしい」と2人は口をそろえる。

 最近では、会員制交流サイト(SNS)などで黄色のルーに関心を持ったという若い客も増えてきた。

 創業から間もなく100年。老舗食堂の3代目は「祖父の名に恥じぬよう味を守っていくだけ」と気負いはない。

 ▼メ モ 佐野市栃本町1759。午前11時~午後2時、午後5時~7時半(ラストオーダー7時)。木曜定休。(問)0283・62・0156。