拳を突き上げ気勢を上げる支持者たち=19日午後0時40分、足利市内

 衆院選の戦いが19日、幕を開けた。暮らしの安定や経済対策、財政など身近に感じる課題の改善を求める県内の有権者たちは、厳しい目で将来を託す候補者を見極める考えだ。

 午前11時すぎ、日光市内。公約の実現を訴える候補者の声が響く中、大橋光雄(おおはしみつお)さん(73)は、近くのスーパーからショッピングカートを押して出てきた。「議員の不祥事は多いし、関心も下がっちゃうよ」と苦笑いしつつ、「年金で暮らす高齢者の生活のことを考えてほしい」と話す。

 山間部の同市小来川地区に住む。以前は近くに商店があったが、今はスーパーまで10キロ以上。複数通う病院も遠い。「車が運転できる今は良い。乗れなくなったらどうなっちゃうか」

 小学4年の孫が通う学校は小中で児童生徒が約20人。「政治には教育環境の充実もしっかり向き合ってもらいたい」と念を押した。

 午後2時すぎ、足利市でおでん屋を営む木村勲武(きむらいさむ)さん(40)は、開店の準備をしていた。コロナ禍で1カ月以上、テークアウトのみの営業を続けてきた。

 「店を開けるようになったのはうれしい。ただ、お客さんの数はまだ少なく、厳しい状況は変わらない」。選挙では経済対策を重視する。「コロナ禍でも政策の方向性をしっかり示し、強い意志で国民を引っ張ってほしい」と望んだ。

 妻沙和(さわ)さん(38)は今夏、催しに使えるレンタルスペースを自宅で始めた。世代や背景が異なる人に集まってもらい、地域を面白くしたい。「女性や若い世代を含む多様な人材で、政治の議論を深めてほしい」と願う。

 宇都宮大国際学部4年榊原彩加(さかきばらあやか)さん(22)は、コロナ収束後の財政健全化や税制改正などに注目する。与野党は緊急的なコロナ対策として「分配」を掲げるが、財源は国債となる見通し。将来世代がツケを払うことになるため、目をそらせないという。

 各候補者には、公約実現に向けた実行性も説明するよう求める。進展が少ない拉致問題などを例に挙げ、「意気込みだけでなく、目標達成までのビジョンも国民の判断材料」と考えている。