「多胎児を育てる人が必要とする支援策を明らかにしたい」と話す当事者の南部さん(左)と山本さん

 世話で1日が終わり、休む時間がない。出費は一気に-。「育児は大変」と言われるが、双子など多胎児を育てている人はさらに大変さが増す。多胎児を育てる親と子を支援するサークル「さくらんぼ小山会」と、子育て支援などを行うNPO法人「そらいろコアラ」は、多胎児に特化した妊娠・育児中の困りごとや支援のニーズに関するネット調査を始めた。同会の共同代表は「多胎児の大変さを理解してもらい、支援につなげられたら」と話している。

 多胎児出産は全出産数の約1%。単胎児に比べて低出生体重児の割合が多く、医療的ケアが必要になりやすい。さらに妊娠、出産、育児に伴う養育者の負担は多岐にわたる。外出の困難さや情報不足から孤立しがちで、虐待リスクも高いとされる。2018年には愛知県で生後11カ月の三つ子の次男を母親が畳に叩きつけて死亡させる事件も起きた。

 「妊娠が分かった時からずっと苦労の連続。この先どうなるんだろうと不安ばかりが募った」と声をそろえるのは、同会の共同代表の南部裕子(なんぶゆうこ)さん(43)=小山市=と山本緑(やまもとみどり)さん(49)=下野市。2人とも小学4年生の男児の双子を育てている。

 南部さんは管理入院の末、帝王切開で出産。子ども2人とも新生児集中治療室(NICU)に入ったため、自身の体力が戻らない中、毎日運転して母乳を病院へ届けた。子どもたちの退院後は授乳、ミルク、おむつ替え、寝かしつけの繰り返しの日々で疲弊した。「2人が泣きやまず、親子で死ぬことを考えたこともあった。虐待をしてしまう気持ちが分かる」と明かす。山本さんも「出産してうれしさに浸っている場合ではなかった。上の子どもの世話もあり、睡眠不足と疲労で頭がいつもボーっとしていた」と振り返る。