3期務めた自信がにじんだ。「さらに力を増して皆さまの声を国政に上げ、地域発展に全力を尽くす」

 10日、大田原市内の市街地。自民前職簗和生(やなかずお)氏(42)は街頭演説で、国交政務官の実績や国とのパイプを強調した。同市の津久井富雄(つくいとみお)市長や市議、公明党県本部の山口恒夫(やまぐちつねお)代表らも駆け付けた。

 落下傘候補として初当選して以降、熱心に辻立ちやあいさつ回りを重ね、地元支持者との関係を築いてきた。各市町ごとに後援会を立ち上げ、総連合会長には津久井市長が就くなど着々と足場を固める。陣営幹部は「手を抜かず活動している。今回も盤石」と自信をみせる。

 一方で簗氏の選挙対策本部に地元の複数の自民県議が入らず「両者間の対立」(陣営関係者)を懸念する声もある。保守分裂となった2019年の那須塩原市長選でのしこりが残るほか、県議側が関係を巡って党本部を訪れたことなどが影響しているという。

 5月の自民党会合。性的少数者を巡り「種の保存に背く」と発言し批判を受けたことも、相手候補の攻撃材料になり得る。

 簗氏は「相手は意識しない。黙々と自分のことをやるだけ」と強調する。

 挑むのは、立憲民主党新人伊賀央(いがひろし)氏(57)。兵庫県豊岡市議を6期務め、19年に立民県連の公募で選ばれた。他県出身だが、妻は旧栃木1区の旧社会党衆院議員、故安田範(やすだはん)氏の長女だ。

 「栃木県とは縁をいただいた」。9月中旬、那須塩原市内の事務所開きで伊賀氏はそう語り「岩盤にくいを打ち、息を吹き返す。国民に自己責任を強いる今の政治を変えたい」と力説した。

 近年3区は自民と渡辺喜美(わたなべよしみ)参院議員らとの戦いが続き、民主系の候補が立つのは05年の衆院選以来。陣営は自民への批判の受け皿として票の掘り起こしを狙う。

 ただ、20年秋に後援会を発足したものの、無党派層を含め浸透は広がっていない。立民関係者からは「もっと活発な運動量が必要。知名度不足の課題克服はできていない」との指摘も。新型コロナウイルス禍の影響も重なっている。

 「(簗氏に)大きく水をあけられている」。関係者は率直に打ち明ける。

 両陣営が気にかけるのが「渡辺党」の動向だ。14、17年の衆院選で敗北。今回もまた選挙直前に渡辺氏が動くのではとの臆測もあった。だが、渡辺氏の関係者は「今回は“不戦敗”。投票は支持者が判断するだろう」としている。