手話で校歌を斉唱する生徒

 【壬生】新型コロナウイルスの影響で歌う機会がなくなった校歌を手話で表現しようと、壬生高の全校生徒467人が15日、同校創立60周年記念式典で初めて「斉唱」した。福祉コースの3年生を中心に今春から取り組んできた「手で歌おうプロジェクト」の一環。3年生のリーダー山川乙葉(やまかわおとは)さん(17)は「企画してよかった」と笑顔を見せた。

 新型コロナ禍で同校では昨年から行事の中止や延期が相次ぎ、思い出を残す機会が減っていた。校歌も演奏を聴くだけになり、歌詞を覚えられない生徒もいたという。

 そこで、授業で手話を習っていた福祉コースの3年生が4月、「手話で歌い、思い出を残そう」と企画した。同コース2年生とJRC部も協力し、約60人が3番まである校歌のうち1番を手話で習得。5、6月に各クラスで手話教室を開いた。

 2学期からは、同コース2年生がプロジェクトを引き継ぎ、記念式典で校歌の2、3番を1、2年生全員で披露しようと準備を開始。各クラスから実行委員を選出し、9月に手話教室を開いた。生徒はそれぞれ、休み時間などに教え合いながら練習を重ねたという。

 迎えた本番。校歌が演奏されると、全校生がそろって手を動かし歌詞を表現、見事「斉唱」した。3年生は1番が終わると着席し、続けて「手で歌う」1、2年生の姿を見守った。

 2年生のプロジェクトリーダー秋間実生(あきまみう)さん(17)は「みんなできていて良かった。ホッとしています」、3年リーダーの山川さんは「始めた時は手を動かしてくれない人もいたけど、だんだん積極的な人が増えていった」と振り返った。

 小峰重雄(こみねしげお)校長は「行事が思うようにできない中、全校生徒で何かを成し遂げようとする姿や思いに感動しました」と話していた。